xEMSは、ITを活用した電力やガス等のエネルギーマネジメントシステム(Energy Management System:エネルギー管理システム)のことである。xの部分がHomeだとHEMS、BuildingだとBEMS(※1)、FactoryだとFEMSとなる。それぞれ、住宅、ビル、工場のエネルギーを管理するシステムを指す(図表)。
主な機能は、エネルギー需給状況の「見える化」と、環境変化(気温、日照、季節等)やエネルギーの需給状況に対応して設備・機器のエネルギーを制御することである。エネルギー供給側からのスマートメーター経由の需給情報や、自家発電(太陽光発電等)状況、家電・OA機器・空調設備・電気自動車等によるエネルギー消費の情報を使って、自動的に設備・機器のエネルギー使用を制御する。これにより効率的なエネルギー管理が可能になり、省エネにもつながると期待されている。
さらに、HEMS、BEMS、FEMSと連携して、電力系統(一般の電力会社)や各地の再生可能エネルギーも含めた、地域全体のエネルギー管理を行うことをCEMS(Community Energy Management System:地域エネルギーマネジメントシステム)と呼ぶ。CEMSがつながったもの(大きくしたもの)がスマートグリッドといってもよいだろう。
(※1)従来、ビルの空調、照明、エレベータ、防災機器等を中央監視室等から監視するシステムを、BAS(Building Automation System)と呼んでいる。BASと連携、または包含してエネルギー管理を行うものをBEMSと呼ぶ。ただし、この場合は「Building and Energy Management System」となる。
(2012年9月6日掲載)
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連キーワード
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日