サステナビリティ課題への関心の低下で懸念されるシステムレベルリスク

サステナビリティ課題と金融、経済の相互関係

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サマリー

◆米国においてサステナビリティ課題(気候変動や生物多様性の保全、ダイバーシティなど)の優先度が低下している。トランプ関税など政策の不透明さも相まって、金融資本市場のサステナビリティ課題への関心が相対的に低下することが懸念される。

◆サステナビリティ課題と金融、経済は相互に影響を与える。政策当局や金融資本市場のサステナビリティ課題への関与が低下し、サステナビリティ課題が深刻化することで、金融や経済に悪影響を与えるリスクが高まることが懸念される。

◆英国ではスチュワードシップ・コードにおいて市場規模のリスク(金利の変動や地政学的な問題、為替レートなど)及びシステミック・リスク(気候変動、企業または企業グループの失敗など)を認識し、対応することを求めている。

◆責任投資原則(PRI)は金融や経済、地球環境、社会、政治などのシステム、またこれらのシステム相互の関係が、投資のリスクとリターンに与える影響にフォーカスする“システムレベル投資”を提唱している。投資家の中には、システム相互の関係を踏まえ、自らのポートフォリオにおいてフォーカスすべきサステナビリティ課題を特定・対応する動きもみられる。こうした取り組みの広がり通じて、金融資本市場の持続性が向上することが期待される。

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