2025年04月21日
サマリー
◆米国においてサステナビリティ課題(気候変動や生物多様性の保全、ダイバーシティなど)の優先度が低下している。トランプ関税など政策の不透明さも相まって、金融資本市場のサステナビリティ課題への関心が相対的に低下することが懸念される。
◆サステナビリティ課題と金融、経済は相互に影響を与える。政策当局や金融資本市場のサステナビリティ課題への関与が低下し、サステナビリティ課題が深刻化することで、金融や経済に悪影響を与えるリスクが高まることが懸念される。
◆英国ではスチュワードシップ・コードにおいて市場規模のリスク(金利の変動や地政学的な問題、為替レートなど)及びシステミック・リスク(気候変動、企業または企業グループの失敗など)を認識し、対応することを求めている。
◆責任投資原則(PRI)は金融や経済、地球環境、社会、政治などのシステム、またこれらのシステム相互の関係が、投資のリスクとリターンに与える影響にフォーカスする“システムレベル投資”を提唱している。投資家の中には、システム相互の関係を踏まえ、自らのポートフォリオにおいてフォーカスすべきサステナビリティ課題を特定・対応する動きもみられる。こうした取り組みの広がり通じて、金融資本市場の持続性が向上することが期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
GPIFのESG指数投資削減に求められる説明責任
投資先企業の信任を失えば「市場の持続可能性向上」は実現不可能
2025年10月16日
-
デジタルMRVが変えるカーボンクレジットの品質評価
炭素価値と非炭素価値を統合する、多面的な品質評価の必要性
2025年10月15日
-
生成AIを用いた人的資本スコア算出の試み
有価証券報告書から人的資本開示を定量的に評価する手法を開発
2025年10月14日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日