EUタクソノミー:残り4つの環境目的

公表済みDNSHの再検討、分類拡張の導入が必要

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2022年12月26日

  • 田中 大介

サマリー

◆2022年3月にPSF(Platform on Sustainable Finance)より、気候変動以外の環境目的に関するEUタクソノミーの基準が公表された。その後、同年11月に公表された追加の報告書にて経済活動数の拡充および既存の経済活動における基準の修正が行われた。

◆ミニマムセーフガードに関する報告書も公表されたため、閾値等の基準が設定された経済活動については、グリーンか否か(2分類で)を判別できるようになった。他方、現状の仕組みでは、基準を満たさない活動とそもそも基準が示されていない活動が同じく「グリーンでない」と判別される。

◆また、ある経済活動のSC(substantial contribution)が、別の経済活動のDNSH(do no significant harm)となっているが、その際の定義域が異なるなど、DNSHについては議論の余地がある。

◆これらの問題はタクソノミーを参照するSFDR(Sustainable Finance Disclosure Regulation)などの開示規制にも波及する。早急に改善するためにも、公表済みDNSHの再検討、分類拡張の導入が急務といえよう。

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