2019年01月10日
サマリー
◆年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による国連責任投資原則(UNPRI)署名、国連サミットでのSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)採択、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)でのパリ協定採択などを背景に、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)要素を考慮するESG投資が改めて注目されている。
◆従来、ESG要素は株式投資の投資判断に取り入れられることが多かったが、近年では海外を中心に債券投資の投資判断に取り入れる動きが拡大している。グリーンボンド等の発行も増加傾向である。日本においても、格付機関がESG要素を信用格付に反映させることを明確化したり、GPIFが世界銀行グループとESG債券投資について共同研究を行うなどの動きが見られる。
◆ESG債券投資の拡大は、発行体にとって、ESGの取り組みが債券の発行条件(資金調達コスト)に与える影響が拡大することを意味する。債券投資家からESG要素の情報開示や対話を求められることが増えることも予想される。また、ESG要素が債券投資のパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、また社会的にどのようなインパクトを与えるのかについては、今後分析・研究の蓄積が求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ISSBがIFRS S2の改正案を公表
温室効果ガス排出量の測定・開示に関する要件を一部緩和
2025年05月16日
-
年金基金のESG投資を実質禁止へ:米労働省
バイデン政権時代に制定されたESG投資促進の規則は廃止へ
2025年05月14日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日