2016年12月07日
サマリー
◆COP22(国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第22回締約国会議)およびCMA1(パリ協定第1回締約国会合)などがモロッコ・マラケシュで開催された。CMA1では、パリ協定の実施指針等を採択することになっていたものの中断され、2018年にCMA1を改めて再開して正式に採択することとなった。
◆パリ協定の実施指針についての実質的な議論はAPA1-2(パリ協定特別作業部会第1回会合第2部)やSBSTA45(科学的、技術的な助言に関する補助機関第45回会合)などで行われた。国別貢献に盛り込まれるべき情報や、削減量に経済的価値等を付与して市場等で取引するメカニズムの計算方法や指針、参加国全体の進捗状況の評価方法、など多岐にわたる議題で交渉が行われた。
◆日本はこれまで米国をリーダーとする非EU先進国で構成されるアンブレラ・グループの一員として交渉に臨んできたが、今後は、トランプ次期大統領の米国に対してパリ協定にとどまるよう説得する一方で、他の交渉グループに対して日本の国別貢献を正しく評価してもらうための外交努力を行っていく必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本はパリ協定をいつ批准するのか?
プレゼンスと指導力の向上にはロシアやインドとの関わりが重要
2016年09月07日
-
米国第一のトランプ新大統領がパリ協定と国内の環境・エネルギー政策に与える影響
2016年11月11日
同じカテゴリの最新レポート
-
生活費危機の時代に重要な「生活賃金」
多様なステークホルダーとの「賃金をめぐる対話」が企業の課題に
2025年09月18日
-
EUサステナ開示規制の域外適用見直しへ
米国とEUは関税合意の一部としてサステナ開示の域外適用を見直す
2025年09月12日
-
機械学習による有価証券報告書(2025年3月期)の人的資本開示の可視化
経営戦略と人事戦略の連動や、指標及び目標の設定に課題
2025年08月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日