国際環境協力で進める地球温暖化対策

環境エネルギー技術で地球全体のGHG排出量削減に貢献

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2015年01月30日

  • 大澤 秀一

サマリー

◆ベースラインシナリオでは、世界全体の温室効果ガス(GHG)の排出量は燃料燃焼等起源の二酸化炭素の増加によって今後も大きく増加していくことが予測されている。地球温暖化をこのまま放置すれば、我々の日常生活や経済活動の広い範囲が不可逆的で非常に厳しい状況に陥る可能性があると指摘されている。日本も世界で5番目にGHG排出量が多い国として、今後の地球環境の保全に大きな責務と役割を担っている。


◆2℃目標の達成に向けて重要なのは、今後、更に排出量の増加が見込まれる途上国における緩和策である。すなわち、削減コストが安く削減ポテンシャルの大きな途上国で先進国が有する優れた低炭素技術等を実施することが効果的と考えられる。国際環境協力を促進するには事業者にインセンティブを付与する資金スキームの構築が重要な課題の一つである。日本は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)で議論する傍ら、二国間クレジット(JCM)の運用に戦略的に取り組み始めている。JCMを活用した省エネや再生可能エネルギー分野における実績作りは、UNFCCCの議論にも好影響を与えると考えられるため、今後の進捗が期待される。


◆国が革新的技術を核にした環境エネルギー関連市場のビジョンを描くことは、事業者の中長期的な投資環境の整備に重要と考えられる。日本の官民一体となった取組みは始まったばかりだが、世界の緩和策を牽引し、世界全体のCO2排出量の削減につながることに期待する。

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