2013年10月21日
サマリー
◆マーケットサマリー(2013/9/20~2013/10/17)
EUA価格は € 5の水準を挟んで一進一退
◆関連トピック
■米国で発電所のCO₂規制案 ━実施までには曲折が予想される━
米国環境保護庁(EPA)から、火力発電所に対する二酸化炭素排出基準の見直し案が公表された。当初案 からの主な変更点は、新規発生源性能基準を燃料別に見直したことと、利用可能な最高の管理技術として、石炭火力発電には二酸化炭素回収貯留技術(CCS)が、また天然ガス火力発電にはコンバインドサイクル発電が正式に選ばれたことである。最終的な排出基準はパブリックコメントを経て2014年秋に公表される見込みだが、CCSの利用可能性を巡ってEPAと石炭産業関係者等との間に意見の相違がみられるため、訴訟等に発展すれば、施行時期が先送りされる可能性がある。
■日本の2012年度のエネルギー起源CO₂排出量は過去二番目の高水準
経済産業省から2012年度のエネルギー需給実績(速報)が公表され、エネルギー起源CO₂排出量が前年度よりも 2.8 % 増加(1990年度比 +13.9 %)して12億7百万CO₂トンに達したことが明らかにされた。過去最高だった2007年度の12億1,800万CO₂トンに次ぐ過去二番目の高水準である。
■COP19に向けた日本の気候変動交渉 ━試される攻めの外交戦略━
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第19回締約国会議(COP19)が、2013年11月11日~22日の日程で、ポーランド・ワルシャワで開催される。COP19では、1)2020年から効力を持つ新しい国際枠組の合意を目指す交渉や、2)2020年までの排出量削減の取組みを底上げする議論等が行われることになっている。日本は国内対策にはあまり触れないものとみられ、技術で世界に貢献していく、攻めの外交戦略が試されることになる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
デジタルMRVが変えるカーボンクレジットの品質評価
炭素価値と非炭素価値を統合する、多面的な品質評価の必要性
2025年10月15日
-
生成AIを用いた人的資本スコア算出の試み
有価証券報告書から人的資本開示を定量的に評価する手法を開発
2025年10月14日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日