2012年10月25日
サマリー
使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)案は、本年3月9日に閣議決定され(※1)、先ごろ閉会した第180回国会において成立している。このほど、中央環境審議会と産業構造審議会の合同小委員会において、同法に関する制度の対象品目案が示された(※2)。
小型電子機器等に使用されるレアメタル等は、資源が偏在し供給国が限られるとともに、新興国等の需要拡大などにより価格が高騰する場面もあり、供給についてのリスクが認識されている。小型家電リサイクル法は、「使用済小型電子機器等に利用されている金属その他の有用なものの相当部分が回収されずに廃棄されている状況に鑑み、使用済小型電子機器等の再資源化を促進するための措置を講ずることにより、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的としている(第1条)。平成13年に施行された特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビなど、比較的大型の家電をリサイクルの対象としてきたが、小型家電リサイクル法は、買い替えサイクルが短い小型電子機器等を対象としており、いわゆる「都市鉱山」を活用することを視野に入れている。
使用済小型電子機器等は、予備等として保管されるなど、廃棄されずに家庭内に退蔵されるケースも多く、廃棄される際には、一般廃棄物としての処分や海外流出の比率も高いとみられている(※3)。国内の最終処分場事情が逼迫している状況もあり、使用済小型電子機器等に含まれる希少資源だけでなく、貴重な資源を可能な限りリサイクルして有効に活用することが求められている。今回示された案では、対象となる品目を21のカテゴリーに分類し、合計100品目以上を対象品目の例として挙げている。小型電子機器等には、レアメタルを使用するモーターが使われている物が多数あり、最近では、さまざまな製品に電子的な部品等が組み込まれている。対象品目案に示された例には、携帯電話やパソコンなどをはじめ、リモコンや電動歯ブラシなど、幅広い製品が含まれている。

小型家電リサイクル法は、小型電子機器等の小売業者に対し、「消費者による使用済小型電子機器等の適正な排出を確保するために協力するよう努めなければならない」としている(第8条)。小型電子機器等の製造業者に対しては、「小型電子機器等の設計及びその部品又は原材料の種類を工夫することにより使用済小型電子機器等の再資源化に要する費用を低減するとともに、使用済小型電子機器等の再資源化により得られた物を利用するよう努めなければならない」としている(第9条)。また、消費者に対しても、「使用済小型電子機器等を分別して排出し、市町村その他使用済小型電子機器等の収集若しくは運搬又は再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならない」(第6条)としている。
消費者が使用済のパソコンや携帯電話等を退蔵する理由としては、廃棄する手続きや準備が面倒なこと、個人情報が漏れる心配があること、保存しておきたいデータ等があること、などが挙げられている(※4)。制度の検討では、ボックス回収や対面回収など複数の回収ルートを整備することや個人情報保護対策などにも配慮されているが、消費者の理解や信頼を得ながら、利用しやすい制度を実現し、回収率を高めていくことが重要であろう。また、再資源化・再利用等に関わる研究開発を進め、経済的にも効率の良い仕組みとしていくことが求められよう。小型家電リサイクル法は、パブリックコメント等を経て、平成25年1月に省令が公布され、4月から施行されるスケジュールになっている。
(※1)「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律案の閣議決定について(お知らせ)」環境省
(※2)産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会第24回配布資料「制度の検討状況について」(別紙2)経済産業省
(※3)産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会第20回配布資料「使用済製品の現行回収スキーム及び回収状況」(資料3)経済産業省
(※4)産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会第20回配布資料「消費者アンケートによる使用済製品の排出・退蔵実態」(資料4)経済産業省
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