排出量取引マーケットレポート 2012.8.10

日本政府、引き続き二国間オフセット・クレジット制度構築に積極的

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2012年08月13日

  • 真鍋 裕子

サマリー

マーケットサマリー(2012/7/13~2012/8/9)


市場介入策の具体的数値が出ず落胆、一時€6.59 に


関連トピック


日本政府、引き続き二国間オフセット・クレジット制度構築に積極的
2012年度「地球温暖化対策技術普及等推進事業」(2次公募)による採択案件が公表された。同事業は、日本が新たなクレジット創出メカニズムとして推進している「二国間オフセット・クレジット制度」に関するフィジビリティ調査である。同制度が活用できるかどうかは、日本の温室効果ガス排出量の中期目標数値(現在検討中)に影響することから、日本政府は、制度整備や国際社会での認知度向上を早急に図りたいと考えており、着々と準備を進めている。


2013年以降の国内「新クレジット制度」について
現行の「国内クレジット制度」と「J-VER 制度」を統合し、2013年以降の「新クレジット制度」とする議論の取りまとめが発表された。クレジットの活用先としては、現行の省エネ法、温暖化対策推進法における報告、CSR活動やカーボンオフセットのほか、経団連で「環境自主行動計画」に続く新たな計画として策定が検討されている「低炭素社会実行計画」などが想定されている。


GHG削減に向けて再エネの役割が益々重要に
7月よりスタートした再生可能エネルギー固定価格買取制度により再エネの導入拡大が期待されている。2012年度に想定されている導入量はさほど大きくないが、7月13日に環境省が発表したシナリオ別導入可能量をみると、現在の買取価格水準であれば3億kW程度の導入が可能と試算されている。原発の利用を拡大していくという政策が見直されている今、温暖化対策としての再エネの重要性は高まりつつあり、日本においても高い導入目標の設定が望まれる。

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