排出量取引マーケットレポート 2012.7.13

2011年、世界のCO2排出量は増加-IEA発表

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2012年07月17日

  • 真鍋 裕子

サマリー

マーケットサマリー(2012/6/15~2012/7/12)


欧州経済への好材料から一時€8台を超える

関連トピック

  • 2011年、世界のCO2排出量は増加‐IEA発表
    2011年の燃料燃焼による世界のCO2排出量は過去最高の31.6Gtonとなった。1990年からの増加率でみると、OECD諸国は微増であるのに対して非OECD諸国の増加が著しい。2020年以降の次期枠組みを決める交渉においては、世界全体での取組みの緊急性を訴える先進国と、先進国の歴史的責任を主張する途上国との対立が、進展を遅らせる要因となるだろう。

  • 米国は中期目標達成に前進?シェールガスへの燃料転換進む
    2011年における米国のエネルギー消費に伴うCO2排出量は、2005年比8.7%減少した。シェールガス生産量の増加に伴いガスへの燃料転換が進んだことが背景にある。発電量に占めるガス火力の比率は2005年の19%から2011年には25%に上昇。シェールガスの出現は、米国の温室効果ガス削減の中期目標(2005年比17%削減)の実現可能性を高めている。

  • 豪州の炭素価格制度(排出量取引制度)がスタート
    2012年7月より豪州の炭素価格制度(排出量取引制度)がスタートした。当初3年間は排出枠を固定価格で購入する制度だが、4年目以降は市場で価格が変動する排出量取引制度に移行する。排出量取引制度導入の動きは世界各国でみられている。日本は、新たなエネルギー計画の策定中であるが、省エネルギーの強化は必ず求められる。今後は、世界の潮流を見据え、排出量取引など様々な手法の動員が必要となるだろう。

  • 日本のエネルギー計画、3つのシナリオが出揃う
    日本のエネルギー戦略策定に向けて3つのシナリオが出揃った。本シナリオをもとに国民的議論を行い、8月にはエネルギー戦略を策定、年末までにエネルギー基本計画を策定する。いずれのシナリオにおいても日本の温室効果ガス削減の中期目標(2020年までに1990年比25%削減)の見直しを迫られることになりそうだ。

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