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お金の規律を考える

~利己から利他へ『大和総研調査季報』 2012年新春号(Vol.5)掲載

2012年04月02日

調査本部 主席研究員 河口 真理子

サマリー

東日本大震災を経て、寄付やボランティアなど利他的な行動が目立ち、思いやりや助け合いなど、利他的な価値観に共感する人が増えている。この現象は大震災のショックからの反動だけでなく、「合理的な経済人による」「自己利益最大化」と「成長」を目的とする近代資本主義から、環境や人の幸せ自体を考える持続可能な経済へのシフトを加速化させるものと考える。ボランティア参加者の多くは「楽しかった」と答えており、利他的行為が自己利益最大化に相反するとは限らない。

自己利益最大化のためには「利己+利他のベストミックス」の経済行動のほうが合理的と考えてはどうか。それを前提にすると、最近のトレンドが一過性のものでないと分かる。例えば消費の現場においては、途上国の貧困撲滅に寄与するフェアトレード商品やエシカル商品が話題になり、今回震災では寄付付き商品が急増した。金融においても貧困撲滅に寄与するマイクロファイナンスに共感する若者が増え、社会的責任投資やインパクト・インベストメントも市民権を得ている。一方、企業経営においても、マイケル・ポーター氏が2011年年初、企業利益と社会利益両方を生み出す新たな経営の考え方「Shared Value」を提示している。この利他を組み込んだ経済は、低迷する今のグローバル経済を救う一つのきっかけになるのではないか。

大和総研調査季報 2018年4月春季号Vol.30

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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