排出量取引マーケットレポート 2012.3.16

市場介入への期待感は利食い売りで相殺か?再び€8台を割る

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2012年03月19日

  • 真鍋 裕子

サマリー

◆マーケットサマリー(2012/2/17~2012/3/15)
市場介入への期待感は利食い売りで相殺か?再び€8台を割る


◆関連トピック
新たな市場メカニズム開発に向けた国連の議論~二国間オフセット・クレジット制度の行方~

今年末に開催されるCOP18に向けて、国連で「新たな市場メカニズム」の議論がスタートする。日本が提案する二国間オフセット・クレジット制度がどのような条件下で国際的に認められるか注目される。既に経済産業省と環境省において具体的プロジェクトのFS調査が進められているが、プロジェクトを実行するためには、日本の中期目標と同制度の位置付けの明確化も必要である。

2013年以降の京都メカニズム
日本は京都議定書第2約束期間に参加しないが、CDMなど京都メカニズムから発行されるクレジットは引き続き活用していきたい方針である。環境省の発表では、現行の規定では、2013年以降日本が国際排出量取引に参加できなくなる可能性があるとのことだ。ただ、京都議定書締約国の中には、大口バイヤーとなりうる日本を排除したくないという思惑もあるため、今後の運用ルール改定の議論に注視していきたい。

日本のFIT、買取金額と期間の設定に向けて議論スタート
今年7月から施行される固定価格買取制度の買取価格と期間を決める「調達価格等算定委員会」がようやく始動した。買取価格と期間は、普及を左右する重要項目であるが、日本では立地規制や送電網の問題など他の導入障壁も多い。日本のエネルギー基本計画も制定されていない段階での法施行であるため、当面は試行錯誤もあるかもしれないが、柔軟な評価・見直し体制を整備しておくことが必要であろう。

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