排出量取引マーケットレポート 2012.2.17

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2012年02月20日

  • 真鍋 裕子

サマリー

マーケットサマリー(2012/1/13~2012/2/16)
欧州財政問題への危機感緩和、厳冬などに押されて上昇


関連トピック
平成24年度京都議定書関連予算は微減:

平成24年度京都議定書関連予算は昨年比683億円減の9,800億円となった。京都議定書6%目標に直接関係する予算は減額されたものの、将来を見据えた基盤的施策は増額している。国際情勢を見据え、二国間オフセット制度へのFS調査事業は25億円に減額される一方で、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の実証事業は102億円まで増額している。

CCSによるCDMは普及するか?:
CCSの的確性(CDMとして認めるかどうか)の議論は、各国の利害が絡み長年にわたり繰り広げられて
きた。しかし、2010年末にようやく、“懸案問題を解決できる場合には”という条件付でCCSのCDM化が認められた。2011年末に決定した詳細手順では、懸案問題であるモニタリングや漏洩に関して厳
しい要件が盛り込まれている。現在の排出権価格の水準では、CDM案件として民間主導で普及させていくにはまだハードルが高そうだ。

欧州、再生可能エネルギー普及に向けて着実に前進:
欧州の2011年の電力消費に占める風力発電比率は6.3%(推計)となった。EUは、EU指令に基づき、2010年から2020年にかけて電力消費に占める再エネ比率を19%から34%に、風力発電比
率を5%から11%に引き上げる計画を掲げている。更に、2050年には再エネ比率を100%近くま
で引き上げるロードマップを発表しており、インフラ整備の議論に着手するなど再エネ普及に向
けて着々と布石を打っている。

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