2011年12月02日
サマリー
2013年以降の地球温暖化に関する枠組み構築にむけて、COP17が開幕した
11月28日~12月9日、南アフリカ・ダーバンにて国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)が開催される。2013年以降の地球温暖化に関する枠組みを巡っては、決定期限の2009年を過ぎた現在も合意に至っておらず、COP17でどこまで道筋を描くことができるのか注目される。
1997年に採択された京都議定書は、その後の米国離脱やカナダの目標断念等により実効性が問題視されてきたものの、先進国に法的拘束力を持つ形で排出削減義務を課した歴史的な合意であった。その削減義務の第1約束期間が2012年に終了する。最も懸念されるのは、2013年以降に「空白期間」が生じ、地球温暖化防止への取り組みが後退することだ。
2013年以降の枠組みとして以下3つのパターンが考えられる。
(1)「京都議定書延長」:京都議定書の第2約束期間の目標数値が採択される
(2)「新たな枠組み構築」:米中等全ての主要排出国が参加する新たな枠組みが構築される
(3)(1)、(2)の両立、または段階的な統合
京都議定書延長については日露加が断固反対している
(1)は、「引き続き先進国は削減義務を負うべき」とする途上国が強く要求している。それに対してEUは、将来的に(2)が保証されるのであれば受け入れる姿勢を示している。しかし、日本およびロシア、カナダは、(2)でなくては意味がないとして断固反対の姿勢を貫いている。従って、EUのみが削減義務を負う形で採択される可能性もあり得るが、もともと米国が不在な上に日露加を欠き、EUの目標値も決して高くない合意に実効性があるのか、また途上国が納得するかは疑問だ。
新たな枠組みはカンクン合意が土台になるだろう
一方で、(2)については、どの国も反対は示していない。しかし、途上国は、(1)の採択を前提に(2)に合意する(つまり(3))という姿勢であるため状況は複雑だ。日本政府は、(1)を拒否((3)を拒否)しているため交渉のストッパーとなるようにみえることは残念であるが、昨年のCOP16におけるカンクン合意を基礎として、実効性の高い(2)の議論を進めていく方針を示している。カンクン合意では、各国が目標を設定し、国際的なMRV(測定・報告・検証)を行うプレッジ&レビュー方式が前提となっている。また、日本政府は、包括的枠組みができるまでは全ての主要国が削減努力を続けること、新たな市場メカニズム(二国間クレジット等)、及び途上国への資金支援の総動員が必要であること等も提案していく方針だ。ただし、国内政策に関しては、現在エネルギー計画を見直し中であり、来夏まで具体的な目標や方策については明らかにできない状況にある。途上国の譲歩を引き出すためには、支援資金・技術移転の議論を進展させることも鍵となるが、日本が交渉進展のために貢献できるのはそうした点に限られるだろう。
各国の目標は温暖化防止に不十分
目標引き上げを巡り、今後も国際論争は続くだろう
COP17では、京都議定書延長の行方とともに、新たな枠組み構築に向けた合意をどこまで深く(交渉期限、法的拘束力、空白期間の扱い、京都議定書との関係等)決められるかが注目点になるだろう。ただ、カンクン合意で提出された各国の目標が達成されたとしても、地球の温度上昇を2℃以内に抑えるには不十分であり、目標引き上げを巡ってこの先も国際論争が続くことが予想される。
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