中国の社会的課題とCSR— 政府によるCSR政策が普及を推進—

RSS

2010年05月31日

  • 横塚 仁士

サマリー

中国政府は会社法を改正して「CSR条項」を追加した2006年以降、政府主導でのCSRの普及を進めている。環境分野では野心的な政策が実施されているほか、労働・人権分野でも対策が進められている。政府による圧力を受けて中国でも上場企業・有力企業を中心にCSR情報の開示が進んでいる。中国政府は環境問題や国内の所得格差の問題などを解決するためのツールとしてCSRを利用していると思われ、今後もCSRに推進政策が積極的に打ち出されると考えられる。一方で、環境・雇用面での影響が大きいとされる有力国有企業や、経済成長を最優先する地方政府などとの調整が今後のCSR普及を握る鍵になると思われる。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。