2009年07月31日
サマリー
環境分野において、国内の自治体で先進的な取り組みを見せる東京都が、2007年に「2020年までに東京都の温暖化ガス排出量を2000年比で25%削減する」との目標を掲げた。この目標を実現するため2008年6月に、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(以下、環境確保条例)を改正し、国内で初めて大規模事業所にCO2排出削減を義務づけるようになった。
本稿では、東京都の環境確保条例について、2008年6月の改正における最大のポイントである「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」に焦点を当て、対象事業所が対応する必要のある改正点について解説する。
第1部で環境確保条例・改正点の概要を、第2部で、特に東京都への問い合わせが多い事業所の範囲の切り分けや、様々な手段がある排出削減方法の詳細を述べる。
【要約】
◆東京都では、国内で初めてCO2の排出削減を義務づける環境確保条例改正案が2008年6月に可決された。
◆主な改正点は3つある。
・エネルギー使用量が原油換算で1,500kl/年以上の事業所は「指定事業所」とされ、指定に係る確認書、温暖化対策計画書の提出、および管理者の選出が義務化される。
・3カ年連続してエネルギー使用量が原油換算で1,500kl/年以上の事業所は「特定事業所」とされ、基準排出量申請書の提出、およびCO2排出削減が義務化される。
・排出量取引制度の運用が開始されるため、事業所は排出削減の手段として利用できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日