2020年4-6月期に年金資産は16.7兆円増加

資金循環統計(2020年6月末)から見る年金資産の動向

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サマリー

◆日本の年金資産(公的年金、年金基金)は、2020年6月末で393.3兆円と、2020年3月末比で+16.7兆円増加した。新型コロナウイルス感染症の拡大により停滞していた経済活動の再開や積極的な金融緩和策を受けて、国内外の株式市場が大幅に上昇したことが残高を押し上げた。

◆公的年金の残高は3月末から16.6兆円増加した。株価上昇やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による外国債券への投資拡大等により、株式等や対外証券投資の残高が大幅に増加した。年金基金のうち、確定給付型年金の積立不足の規模は縮小しており、株価上昇等によりバランスシートは改善した。

◆企業年金・個人年金の拡充に向けた議論が進められている。社会保障審議会の企業年金・個人年金部会では、現行の確定拠出年金の拠出限度額の見直し案が提示された。公平でわかりやすく、自助努力を促す制度となるか、今後の議論の展開が注目される。

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