2020年04月21日
サマリー
本稿では、家計によるリスク性資産の保有の有無やその背景にある証券投資の必要性の認識について、日本証券業協会「証券投資に関する全国調査(個人調査)」の匿名個票データを用いた計量分析を行った。分析結果からは、①若い人ほど証券投資の必要性を認識する傾向にあるものの投資をしていない者が多いこと、②証券会社に対するイメージがネガティブな人ほど有価証券を保有しない、もしくは証券投資は必要ないと考える傾向にあること、③投資教育の経験がある者ほど有価証券を保有し、証券投資は必要と考える傾向にある—といったことなどが確認できた。ほかにも、女性や都市規模が小さい地方に居住する人は証券投資の必要性を認識しない傾向も確認できた。
これらの分析結果は、現在官民で進められている顧客本位の業務運営や金融教育、少額での積立投資の推進を後押しするエビデンスになると言えよう。ただし、金融教育を含むこれらの取り組みの一部は短期的な効果が期待しにくい面もある。コストや時間が相対的にかからない行動経済学の知見を用いたアプローチの導入も、「貯蓄から資産形成へ」の促進策として期待される。

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