サマリー
◆本レポートは、国内の金融循環や金融面での構造的な変化、その兆候を四半期ごとに点検することを目的としている。家計、銀行、生命保険・年金、企業、海外のそれぞれの動向を分析している。
◆家計金融資産のうち、2019年4-6月期において投資信託からは資金純流出となっているものの、インデックス型投資信託への堅調な資金純流入は継続している。また、前回の消費税増税前に比べ、新設住宅着工戸数は低調だが、低金利環境を背景に家計の負債残高の増加基調が続いている。
◆銀行の法人向け貸出の伸びは減速が続いており、増加を牽引してきた不動産業向けの貸出が特に減速している。生命保険・年金については、国内の低金利環境の中、外国債券への投資を積極化させている。対外証券投資では、ユーロ圏の金利低下を背景に、2019年1-3月期に大幅な取得超だった欧州向け中長期債が4-6月期には処分超に転じている。一方で、対日中長期債投資への資金純流入は続いており、日本の金利の長期から超長期ゾーンの下押し圧力となっている可能性がある。
◆BOXでは、EU離脱に揺れる英国への日本からの直接投資の動向を扱っている。2016年の国民投票以降に日本の対英直接投資は実行額・回収額ともに活発化している。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
大和のクリプトナビ No.2 暗号資産価格のリターン・ボラティリティ・相関の特徴
過去のリターンは、将来のリターンに対する一定の予測力が存在
2025年04月15日
-
大和のクリプトナビ No.1 暗号資産価格の歴史的推移
需給の影響を受けやすく、足元では政策や機関投資家の動きも影響
2025年04月10日
-
「職場つみたてNISA」の仕組みと導入意義
ファイナンシャル・ウェルビーイングの向上も期待
2025年03月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日