サマリー
◆大和総研では、全国の107金融法人(銀行、生損保、協同金融組織)及び60の年金基金(厚生年金、企業年金)を対象にオルタナティブ投資状況のアンケート調査を実施した。
◆本アンケートは2005年度の開始以来12回目となる。調査の実施期間は2016年10月20日から11月11日で、全国の年金基金・金融法人を送付対象として、原則、郵送形式で実施した。金融法人については、いくつかの項目で市場金融部門及び総合企画部門から別々に回答を得ることで、投資家・発行体のスタンスの違いを区分けしている。
◆アンケートは全部で88項目にわたり、以下の分類で集計している。
- オルタナティブ投資全体・今後の年金運用・有価証券運用の方向性
- マイナス金利・金融政策
- 金融規制(バーゼル規制、資産運用規制)、バンク・ファイナンス(コンティンジェント・キャピタル、カバード・ボンド)
- Brexit
- インフラ投融資(再生可能エネルギー含む)
- ヘッジファンド投資
- 不動産投資
- プライベートエクイティ投資
- クレジット・ストラクチャード投資(証券化商品等)
- 新興国投資
- ESG投資、PRI(国連責任投資原則)、コーポレートガバナンス・コード(スチュワードシップ・コード)
◆日銀のマイナス金利政策の導入により、金融法人は外債や国内株式を増加させるなど、リスク選好を高めたことが示された。一方、年金基金では一般勘定や現金に資産を逃避させるなど、むしろリスク選好を弱めた。
◆金融法人、年金基金ともに、日銀黒田総裁の一連の金融緩和政策に対しては肯定的な意見が多い。ただ一方、マイナス金利(の深掘りも含む)やヘリコプターマネーなどの施策に対しては否定的な意見がかなりの数に達した。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日