地域視点でみた家計のリスク資産保有の状況

「貯蓄から資産形成」の地域差を生み出す要因は何か

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2016年12月28日

  • 金融調査部 研究員 森 駿介
  • 菅谷 幸一

サマリー

◆我が国家計の資産形成の状況を見るとき、国全体で測ることが多いだろう。しかし、それは必ずしも全国一様ではなく、地域差が存在している。例えば、三大都市圏でリスク資産保有世帯の割合や世帯当たりのリスク資産シェアが相対的に高い一方、北海道・東北や九州・沖縄におけるこれらの指標は相対的に低い、といった差である。


◆このような地域差をもたらす要因として、「貯蓄残高」「年齢」「職業」「金融リテラシー(知識)」「金融アクセス」等が考えられる。例えば、貯蓄残高が大きい世帯の割合が高い都道府県においてはリスク資産保有世帯の割合や世帯当たりのリスク資産シェアが高い傾向にある。


◆また、世帯主が農林・漁業従事者の世帯、官公職員の世帯が多い地域では、リスク資産保有世帯の割合が低くなる傾向があり、金融リテラシーが高いと思われる世帯の割合が高い地域や金融機関が集積しており情報が集まりやすい都市部では、リスク資産保有世帯の割合や世帯当たりのリスク資産シェアが高い傾向にある。

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