代替投資、年金運用規制への3つの論点

年金基金を含めた金融規制のグランドデザインへの再考

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2012年03月14日

サマリー

◆民主党は3月7日、AIJ投資顧問株式会社(以下、AIJ投資顧問)による、企業年金消失問題を受けて、厚生年金基金に関わる制度改善策を検討する作業部会(座長・蓮舫前行政刷新担当相)の初会合を開催した。当該会合の論点は3つあり、(1)運用機関への監督・規制強化(直接規制)、(2)年金スポンサー側の運用態勢の改善(間接規制)、(3)年金運用制度の抜本的な改革に絞られて協議された。

◆運用規制(特にヘッジファンド規制)に関しては、米国ドッド・フランク法や、G20カンヌサミットで協議されたシャドーバンキング規制等が挙げられる。年金運用での代行部分への補填として公的資金導入の議論をするならば、現在進行中の国際的な規制議論との歩調を合わせる必要がある。

◆総合型の年金基金を一刀両断に“アマチュア”と判断した形での一方的な規制適用には懸念も多い。各国の運用規制の潮流を捉え、年金基金を含めた金融規制のグランドデザインを描けるかが、当該作業部会で求められる視点であろう。

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