2020年02月28日
サマリー
◆ダイビングは、広大な海で美しい海洋生物たちの自由な姿を目にすることのできる非日常体験が最大の魅力のスポーツであり、筆者もまたその魅力にとりつかれた一人である。多くのダイビングポイント周辺は観光地としてにぎわっており、ダイビングは国内外において地域の活性化にも一役買っているといえよう。
◆一方で、ダイビングポイントの周辺では、過度な開発や観光客のマナー違反により、美しい自然が看過できないほどのダメージを受けている事例が散見され、複雑な心境である。
◆果たして「持続可能な観光」は実現できるのだろうか。近年、企業や国、地方自治体によるSDGs(※1)への取組みが増えている。特に観光開発はSDGsの17の全てのゴールに貢献することができる(※2)と言われており、自然と共存しながら上手に発展していけば、当該地域における経済波及効果が期待できる。さらに、SDGsのエッセンスを取り込んで「持続可能な観光」が実現されることになれば、多くのステークホルダーにメリットをもたらす画期的な取組みとなるだろう。
◆本稿ではSDGsの達成に寄与する「持続可能な観光」について論じる。観光産業に関わる企業の方々や旅行を楽しむ方々の持続可能な観光へのアクションにつながる契機となれば幸いである。
(※1)2015年9月に国連加盟国が全会一致で採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核をなす持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)
(※2)巻末参考文献参照 JICA(2018)
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