パーパスドリブンで切り拓く「ポストSDGs時代」の経営

経営戦略としてのサステナビリティ

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サマリー

◆「経済無くして社会回らず」から「社会無くして経済回らず」へのパラダイムシフトが起きている。我々は今一度、SDGsの「ウェディングケーキモデル」が示唆するように、「ビジネス」は、自然環境と社会環境が担保されて初めて、たまさか成り立つ事象だという基本的な認識に立ち返らねばならない。ただし、日本企業には、「三方よし」の哲学として、商売が「商売人の利得」のみを優先しては持続しようがないことを自覚し続けてきた思考伝統が存在する。したがって、我々には、未来のビジネストレンドに対して根本的なアドバンテージがあると言える。

◆サステナビリティへ「対応する」という考え方は金輪際やめよう。サステナビリティと経済合理性を「両立させる」という考え方もまたやめよう。こうした発想は、CSRの世界への呪縛からくるものだが、今やサステナビリティは戦略遂行の「阻害要因」や「壁」などではなく、サステナビリティに向き合うことこそが経営戦略であり、経済合理的なのだ。そして、推進にあたっては正しい現状認識と未来像のイメージに裏打ちされた、サステナビリティ戦略の策定が不可欠である。

◆自社のサステナビリティ戦略策定にあたっては、2030年という期限付きの概念であるSDGsを超える「ポストSDGs」を見据えたメガトレンド分析等の外部環境に対する深い理解(Outer-in)に加え、自社の経営資源やケイパビリティ、将来あるべき事業ポートフォリオ構成の検討等の内部環境分析(Inner-out)という両側面からのアプローチが不可欠である。また、この両者の交差するところに自社の社会的な存在意義(パーパス)ないしはミッションを再定義することで真に注力すべき分野を認識する必要がある。

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