2022年05月27日
サマリー
◆「経済無くして社会回らず」から「社会無くして経済回らず」へのパラダイムシフトが起きている。我々は今一度、SDGsの「ウェディングケーキモデル」が示唆するように、「ビジネス」は、自然環境と社会環境が担保されて初めて、たまさか成り立つ事象だという基本的な認識に立ち返らねばならない。ただし、日本企業には、「三方よし」の哲学として、商売が「商売人の利得」のみを優先しては持続しようがないことを自覚し続けてきた思考伝統が存在する。したがって、我々には、未来のビジネストレンドに対して根本的なアドバンテージがあると言える。
◆サステナビリティへ「対応する」という考え方は金輪際やめよう。サステナビリティと経済合理性を「両立させる」という考え方もまたやめよう。こうした発想は、CSRの世界への呪縛からくるものだが、今やサステナビリティは戦略遂行の「阻害要因」や「壁」などではなく、サステナビリティに向き合うことこそが経営戦略であり、経済合理的なのだ。そして、推進にあたっては正しい現状認識と未来像のイメージに裏打ちされた、サステナビリティ戦略の策定が不可欠である。
◆自社のサステナビリティ戦略策定にあたっては、2030年という期限付きの概念であるSDGsを超える「ポストSDGs」を見据えたメガトレンド分析等の外部環境に対する深い理解(Outer-in)に加え、自社の経営資源やケイパビリティ、将来あるべき事業ポートフォリオ構成の検討等の内部環境分析(Inner-out)という両側面からのアプローチが不可欠である。また、この両者の交差するところに自社の社会的な存在意義(パーパス)ないしはミッションを再定義することで真に注力すべき分野を認識する必要がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中期経営計画の近時動向 <2025年10月>
欧米の中期経営計画開示動向とその背景
2025年10月31日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第3回 生産基盤としての耕地(1)
2025年09月05日
-
ROEの持続的向上のための資本規律の重要性
資本コストを真に意識した財務戦略への道
2025年05月02日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
第228回日本経済予測(改訂版)
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年03月10日
-
地方銀行と官民連携まちづくりの課題
無担保・無保証・低収益という事業特性を踏まえた「地域金融力強化プラン」の論点整理
2026年03月10日
-
2026年1月消費統計
サービスは弱いものの財が強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2026年03月10日
-
中東情勢の緊迫化とデフレ下の中国で起きること
2026年03月11日

