コロナ禍の中期経営計画

高まる不確実性に向き合うための戦略と目標のあり方

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  • コンサルティング営業部 主任コンサルタント 枝廣 龍人

サマリー

◆外部環境の変化による中期経営計画の陳腐化リスク・形骸化リスクはかねてから指摘されてきたが、コロナ禍においてこのリスクはさらに高まっている。

◆経営学者H.ミンツバーグは著書「戦略サファリ(1999)」のなかで、方向性を模索する際には、ラーニング学派の「創発的戦略」が適していると指摘している。コロナ禍における中期経営計画では必ずしも、直線的な成長戦略を打ち出す必要はないかもしれない。むしろ、意識的に曖昧な目標を設定し、直線的ではないプロセスとして経営計画を再定義する創発的な中期経営計画が求められているのではないだろうか。

◆創発的な中期経営計画では、経営目標の置き方も従来とは異なるものになる可能性が高い。レンジの形で目標を示している欧米企業の事例は参考になるだろう。また、投資枠や資本効率の定量目標は創発的な中期経営計画における経営目標として機能しやすいと考えられる。

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