2015年11月19日
サマリー
◆コーポレートガバナンス・コードに準拠しComplyをいくら積み上げても、現場の毛細血管に達するまで関連する課題が数多く顕在化するだろう。企業価値創造の本質を踏まえ、経営企画部門は現場とも正対し、こうした課題解決のために骨を折る局面も想定される。但し、同部門の肥大化は避けなければならない。
◆事業別ハードルレートの検討に際しては、いわゆるポートフォリオ理論に基づく統計解析が「ファクト&ロジック」のベースとなる。定量化は必須だが、一方で数字に拘泥するあまり、本質を見誤らないよう細心の注意が必要だ。
◆事業ドメインの定義をクリアにし、同時に各々のドメインに経営資源を帰属させる過程では、純粋持株会社によるグループ経営への移行も視野に入る。グループ内の事業ポートフォリオを最適化する盤面として、あるいはグループ価値創造の推進力であるM&Aを迅速に進めるための「エンドレス機構」として持株会社体制への移行は有力な選択肢となるだろう。
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