生物多様性の開示に向けた動き

~気候変動と両輪で取り組むべき重要課題~

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  • マネジメントコンサルティング部 主任コンサルタント 中川 葉子

◆我が国には非常に多くの生物種数が存在するとともに、日本固有種の比率も高い。他方で国内の多くの生態系が破壊の危機に瀕しているとも言われ、生物多様性の保全は身近でありかつ喫緊に対応すべき重要課題となっている。

◆2022年12月に開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、「ポスト2020生物多様性枠組み」と呼ばれる次期国際目標が採択される見通しである。2030年に向けた目標の草案では、各国企業に対し、生物多様性に係る評価・報告を求める項目も含まれており、今後生物多様性に関わる開示を求める動きが加速する可能性がある。

◆足下では、生物多様性の事業への影響に関する開示の枠組みを検討する動きが加速している。特に「TNFD」の動向は、上場企業からの強い関心を集めている。これまで生物多様性に係る開示を行ってこなかった企業も、気候変動と並ぶ重要課題として、検討を開始することが望ましい。

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