なぜ、国土強靭化が必要か?
2011年3月11日に発生した東日本大震災は我が国に甚大な被害をもたらし、危機意識はこれまでになく高まった。また、今後発生しうる危機的事象として、南海トラフ地震、首都直下地震、火山噴火等の大規模自然災害等に備えて、国や地域、企業に対して、防災や事業継続という観点から「強靭さ」が求められるようになっている。このような背景をもとに、2013年12月11日、政府は、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する「国土強靱化基本法」を公布・施行。政府主導で、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社会の構築に向けた「国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)」を推進している。
国土強靭化計画とアクションプラン
2014年6月3日、「国土強靱化基本計画」が閣議決定され、「国土強靱化アクションプラン2014」が公表された。国土強靱化基本計画は、「強くて、しなやかなニッポンへ」という表題のもと、以下のような内容で4章構成となっている。第2章のプログラムごとの脆弱性評価の結果を受けて年度ごとにアクションプランを策定する。プログラム推進計画には、目標値として重要業績指標(KPI)を設定している。

民間企業と地方公共団体に求められること
第3章の国土強靭化の推進方針では、具体的な対象分野とその概要が示されている。民間企業と地方公共団体は、これらをどう活用すべきかを検討する必要がある。民間企業においては、産業構造分野の「企業連携型事業継続計画(BCP)/事業継続マネジメント(BCM)の構築促進等」は直接関係する分野である。緊急時のBCPだけではなく、平常時からのマネジメント活動であるBCMという考え方が重要になる。また、新たな技術開発需要という意味で、民間企業の役割が重要になる。先進的な防災・減災技術を開発するニーズは高まっており、これは新たなビジネスチャンスと考えられる。

地方公共団体では、住民の生命の安全を確保することに加えて、以下に示されているような各分野への対応を考慮していく必要がある。例えば、保健医療・福祉分野を重点テーマとして、地域の連携体制を構築するとか、農林水産業が地域の主力産業であれば、その対策を検討することも急務であろう。

国土強靭化計画の実現には、地方公共団体と民間企業が一丸となって取り組む必要がある。地域住民や従業員の生命を守ることを最優先として、地域経済の復元力(レジリエンス)を最大化できるよう、様々な角度から議論し、優れた戦略を持つことが重要だ。そして、緊急時の行動指針の策定に留まらず、平常時からの取り組みこそ重要である。また、重要な公共インフラについては、高い事業継続力を持つ民間企業を活用するという選択肢もあろう。
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