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点から面へ 2020年東京五輪のまちづくり

都市軸の設定でみえる競技場その他関連施設の後利用

金融調査部 主任研究員 鈴木 文彦

サマリー

◆コンパクトな大会を標榜するものの、シドニー、ロンドン大会とは異なり東京大会では競技場その他関連施設が点在している。ついては、おおむね環状2号線に沿って、メイン会場の新国立競技場から国際新都心の虎ノ門近辺を経由し東京ビッグサイトに至る都市軸を引く。横軸に首都高湾岸線に沿って東京ベイゾーンを横断する都市軸を引くことで、点在する関連施設に面的な一体性が生じる。これに、高齢化や国際化などの世界共通の課題に沿ったあるべき都市の未来像を投影。具体的には「都心の中の郊外」となろう。まちづくりのビジョンを示すことで、施設の後利用や周辺開発にかかる民間のアイデアは豊かになり、収支計画も前向きになる。東京五輪を機に東京ベイゾーンの付加価値を高める効果も期待できる。


◆都市軸を明確にすることで、新規整備する有明アリーナ等が集積する有明近辺は国際新都心に連結するターミナル立地に転換する。この立地に相応しいのはまちづくりの拠点となる「劇場としての競技施設」である。さらに、その周辺に健康増進・余暇充実目的のサテライト施設を体系的に整備し、スポーツを健康寿命延伸に活かす戦略モデルの構築も一考。


◆もうひとつのコンセプトが体験型テーマパークとしての競技施設である。自然とスポーツを都心で体験し、自然豊かな地方で本格的なアウトドアスポーツに取り組む。このようなモデルを作ることで地方創生に貢献する。インバウンド観光客を東京から地方に回遊させる仕組みでもある。海の森にカジノを設置し東京ベイゾーン全体を統合型リゾート施設(IR)に見立てるのも一考だ。強力な集客装置になろう。


◆東京ベイゾーンのまちづくりを東京大会のレガシーのひとつとするならば、競技施設の後利用の目的は「社会教育」よりむしろ「集客装置」に近い。大会終了後の運営は、その前段階の企画から民間が積極的に関与したほうがよい。施設整備にあたっては修繕型のコンセッション方式PFI等の活用も有力な選択肢となる。

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