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水道料金は「原価割れ」しているのか

官民連携/PFIにあたって課題となる料金設定の論点

金融調査部 主任研究員 鈴木 文彦

サマリー

◆水道事業の経営は、個別にみれば問題を抱える事業体はあるが全般的には良好。給水原価の9割以上を料金収入で賄っている公営水道は全体の約8割と、事業体ベースでみればおおむね給水原価は水道料金で賄われている。なお、公営の水道事業者の多くは使用水量が増えれば増えるほど使用水量当たりの料金単価が高くなる逓増制の料金体系を採用している。


◆一方、小口料金は安く抑えられ、小口利用に絞ってみると給水原価の9割以上を料金収入で賄っている事業体は全体の約4割に過ぎず、多くのケースで原価割れを起こしている。とくに、総体の料金収入で給水原価をカバーする一方、小口利用で原価割れしているケースが全体の約3割あり、大都市に多い。この場合、逓増制料金の下、大口利用者から得た料金収入の差益分で小口利用の赤字を埋める構造がうかがえる。


◆生産拠点の海外移転などを背景に大口利用者は減少傾向にあり、相対的に高い水道料金を嫌って私設の専用水道を導入するケースもある。また、公共施設等運営権制度(コンセッション制度)を活用した官民連携の経営形態が期待されている中、小口利用にかかる原価割れの料金体系は、民間の行動原理と原則的に相容れないこともあり、再考の余地があると考えられる。

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