- 退職給付会計基準が公表~連結個別財務諸表で取り扱いに差~(2012年6月20日付)
- 新退職給付会計基準適用までに検討すべきこと(2012年7月18日付)
- 新退職給付会計基準の概要~割引率見直しに向けて乗り越えるべき課題~(2012年8月15日付)
- IFRSへのコンバージェンスに伴い退職給付会計が原則主義へ(2012年9月19日付)
●算定方法の事前検討
現行の退職給付会計基準は、金融システム改革(日本版ビックバン)の一環の中で企業会計の見直しの1つとして2000年4月1日以降開始される事業年度から適用され、その目的は日本の企業会計基準を国際標準に合わせるというものであった。現行の退職給付会計基準導入にあたり、各企業は退職給付会計基準とはどのようなものなのか、また、退職給付会計基準を導入した場合の財務的な影響を事前に検討したと思われる。
・金額加重平均期間に応じた単一の割引率
・イールドカーブを用いた複数の割引率
<給付見込額の期間帰属>
・期間定額基準
・給付算定式基準
●専門家の必要性
退職給付債務の算定については、外部の受託機関に計算を委託している場合と各企業において自社計算している場合が考えられる。前者の場合は、受託機関から今回の改正に関する情報提供や対応策等のアドバイスを受けられるだろう。しかし、後者の場合は、このような情報提供やアドバイスを受けることができないと思われる。また、専門的知識を要するイールドカーブ、均等補正(給付算定式基準を選択する場合)についてどのように検討・解決していくかも問題になるであろう。
新退職給付会計基準の適用は、3月決算の企業であれば2014年3月末からとなり、現時点からみれば適用までに約1年半程度の期間があるが、時間的余裕はあまりない。繰返しになるが、今回の改正内容は今まで以上に複雑化しているため、検討・解決までに相応の業務負荷がかかると思われるからである。退職給付債務は企業の債務の中でも大きな割合を占めるものである。適用間際になってあわてないよう早期に対応を検討しておく必要があるのではないか。
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