2016年05月12日
サマリー
◆コーポレートガバナンス・コードの開示が3月決算企業を中心に昨年12月末で一旦は出揃った。本稿においては、上場各社が2年目以降のガバナンス体制のあり方を検討する際に一助となるべく、原則・補充原則のうち、上場企業の関心の高い「役員報酬・指名」「後継者計画」「取締役会の実効性評価」「役員トレーニング」について事例分析を行い、課題と解決策の方向性を考察した。
◆「役員報酬・指名」や「後継者計画」では、方針と決定プロセスについて詳細な説明を行う事例が見られ、また「持続的な成長に向けたインセンティブ設計」では、各社の思想を反映したエクスプレイン事例が見られた。これらは、会社の目指すべきところを見据えて取締役会等でしっかりと議論していることがうかがえる。
◆コーポレートガバナンス体制の中核である「取締役会の実効性評価」では、多くの企業が今後どのように進めるか検討している中で、具体的な開示をしている花王や第一生命の事例は参考になるだろう。また、「役員トレーニング」では、社内取締役・社外取締役が持つべき知識や役割、または自社の属する環境に応じて、企業ごとにトレーニング・プログラムを工夫することが望まれる。
◆「形式」から「実質」への流れの中で、企業は「株主からの信任」を意識したコーポレートガバナンスに対する高い目線が不可欠である。「取締役会評価」と「役員トレーニング」は自律的なコーポレートガバナンスを醸成するための中核と位置づけられる。これらの機能が有効に働くためのプロセスの構築が求められている。
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