移転価格税制で巨額の追徴課税

武田薬品工業に約570 億円の追徴課税

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2006年06月29日

サマリー

◆6月28日、武田薬品工業に対して、移転価格税制による約570億円の追徴課税が行われた。約570億円という数字は、近年の同様の例と比べても飛び抜けて大きい。

◆移転価格税制を巡っては、近年、企業と税務当局との間で意見の相違が生じるケースが増えているが、大型の更正処分の多くが、無形資産から得られる所得の算定方法を巡る税務当局との見解の相違を原因としている。しかし、武田薬品工業では、今回更正処分の対象となった取引には、そもそも移転価格税制が適用されるべきではないとの見解を示しており、他のケースとは若干様相が異なる。

◆同社は、今後、更正処分の取消しを求め異議申立てを行う方針を明らかにしており、最終的な決着までには長期間を要するとも予想される。

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