ファンドの流動性規制案、2022年1月適用

ストレス・テストや目論見書での注意喚起、図らずもCOVID-19 後に

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2020年4月10日、金融庁は、「金融商品取引業等に関する内閣府令及び投資信託及び投資法人に関する法律施行規則の一部を改正する内閣府令(案)」(内閣府令案)を公表している(意見募集期間は5月11日に終了)。

◆内閣府令案は、証券監督者国際機構(IOSCO)が2018年2月に公表した「集団投資スキームの流動性リスク管理に関する提言」を受け、「投資運用業者における、オープンエンド型公募投資信託の流動性リスク管理についての行為規制を整備するもの」である。

◆金融庁は、内閣府令案では具体的な内容に踏み込まず、実質的に、詳細を投資信託協会の自主規制に委ねている。そこで、投資信託協会は、内閣府令案と同日に、「投資信託等の運⽤に関する規則」等の改正案(自主規制案)を公表している(意見募集期間は5月8日に終了)。

◆自主規制案は、社内規則による流動性リスク管理態勢(ストレス・テストを含む)の整備や、目論見書への記載による流動性リスクの注意喚起を提案している。ストレス・シナリオには、今回のようなパンデミックを組み込むことが必須となろう。

◆内閣府令案及び自主規制案の適用(予定)は、2022年1月1日である。もっとも、投資運用業者としては、仮に新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大がもたらす流動性懸念が重大ではないのであれば、そのことを市場に示すには、自主規制案の早期適用が望ましいものと考える。

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