民法改正(成人年齢引き下げ)の概要

改正法の要点解説と今後の展望

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サマリー

◆2018年6月13日、成人(成年)年齢の引き下げを主な内容とする「民法の一部を改正する法律(以下、改正法)」が成立した。この法律の施行日である2022年4月1日以降、成人年齢は18歳となる。成人年齢の引き下げにより、18、19歳の者は契約の締結や訴訟が可能になる一方、未成年者取消権を失うことで、消費者被害に遭うケースが増加する可能性が考えられる。

◆今回の改正法は民法以外の法律の改正も規定しているが、改正内容には、年齢要件を新たに18歳基準に引き下げるものと、現行通りの20歳基準を維持するためのものがある。例えば、帰化申請の年齢要件などは当該年齢を18歳に引き下げ、若年者を特定の悪影響(喫煙、飲酒、公営ギャンブル)から保護することを目的とする法律は20歳の要件が維持された。

◆他方、今回の改正法で改正の対象外とされた社会保障制度・税制に注目すると、国民年金(第1号被保険者)の強制加入年齢や、NISAなどの税制優遇措置の年齢要件は、今後18歳への引き下げが行われる可能性がある。

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