胎動する非財務情報開示

『大和総研調査季報』 2018年夏季号(Vol.31)掲載

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2018年07月23日

  • 吉井 一洋
  • 金融調査部 主任研究員 横山 淳

サマリー

ESG課題への関心の高まり、長期的な企業価値創造重視の流れ、GPIFのPRI(責任投資原則)への署名などを受け、わが国でも非財務情報の開示への関心が急速に高まっている。このような中、有価証券報告書での経営方針等の開示やMD&A情報、コーポレートガバナンス・コードおよびコーポレート・ガバナンス報告書の見直しなどが実施されている。

諸外国では、英国、EUなどで上場企業等の非財務情報の拡充が義務付けられている他、IIRC、米国のSASB、CDPといった投資家を情報の利用者としたフレームワーク、GRI、ISO26000 など幅広いユーザーを想定したフレームワークがある。わが国では、前者は統合報告書・アニュアルレポート等、後者についてはCSR / サステナビリティ報告書で開示しており、ビジネスモデル・事業戦略等、ガバナンス関連、社会・環境関連の開示は、課題は抱えつつも、充実してきている。

パリ協定、TCFD、SDGsなどを受け、今後も非財務情報のさらなる拡充・見直しや企業のCSV的な対応が予想される。さらに、欧州のIFRSの金融商品会計の見直しを求める動きにも注意を払う必要がある。

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