サマリー
米国のSEC(証券取引委員会)は、2011年に米国内の上場企業の財務報告に「インコーポレート」するかどうかを決定する(IFRSを適用する場合は 2015年または2016年からとなろう)。もっとも、2011年半ばを期限としていた米国基準とIFRS間のコンバージェンスプロジェクトは遅れ気味であり、財務諸表の表示など一部のものは検討を中断している(2011年下半期から検討再開)。加えて、金融商品の見直し内容については両基準間のかい離は大きいままである。「インコーポレート」とはIASB(国際会計基準審議会)が設定するIFRSをそのまま米国企業に適用することを意味しておらず、仮にSECが、国内上場企業にIFRSの適用を強制したとしても、金融商品などについては、IFRSの適用を除外することも考えられる。米国がどのような対応をするかは、わが国のIFRSへの対応にも影響を与え得る。例えば、わが国が2012年にIFRSの強制適用を決定したとしても、「リサイクリングを適用しない」部分については適用除外することも考えられる。
なお、本稿では注目されるプロジェクトとして、収益認識、リース会計、退職給付、金融資産の減損、ヘッジ会計などを取り上げている。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2022年以降の制度改正予定(企業会計編)
2022年02月09日
-
投資信託の時価算定の取扱いが明らかに
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」の改正
2021年09月15日
-
2021年以降の制度改正予定(企業会計編)
2021年02月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日