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米国:QE3の効果とコストの顕在化リスク

『大和総研調査季報』 2014年秋季号(Vol.16)掲載

2014年12月01日

政策調査部 主任研究員 土屋 貴裕

サマリー

FRB(連邦準備制度理事会)は、2012年9月から総額と期限を定めない資産の買入れを開始し、2014年10月で終了する見込みとなった。


QEに伴うMBS(住宅ローン担保証券)の買入れは、住宅ローンの組成を促し、住宅市場の回復につながった。また、株価や住宅価格の上昇は、資産効果や家計のバランスシート調整に寄与する政策効果があったと考えられる。


一方、信用の緩和によるクレジット市場の過熱や資産価格の上昇は、バブルと断定できないが、超低金利環境とシャドーバンキングの組み合わせが、過剰流動性となり、金融政策の正常化の過程でコストに転化し得る可能性がある。資産価格上昇に利上げで対応することは必ずしも適切ではなく、一つの商品の価格下落は、他の市場や経済に波及し得る。マクロプルーデンス政策の強化が金融政策正常化の必要条件となろう。


経済の回復のカギを握るのは賃金の伸びとなるが、資金需要を新たに作り出すことができない金融政策だけでの対応は限界があると考えられる。職業訓練や、設備投資を増やし、生産性を向上させて賃金の引き上げ余地をもたらす経済政策が求められよう。


大和総研調査季報 2019年10月秋季号Vol.36

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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