サマリー
FRB(連邦準備制度理事会)は、2012年9月から総額と期限を定めない資産の買入れを開始し、2014年10月で終了する見込みとなった。
QEに伴うMBS(住宅ローン担保証券)の買入れは、住宅ローンの組成を促し、住宅市場の回復につながった。また、株価や住宅価格の上昇は、資産効果や家計のバランスシート調整に寄与する政策効果があったと考えられる。
一方、信用の緩和によるクレジット市場の過熱や資産価格の上昇は、バブルと断定できないが、超低金利環境とシャドーバンキングの組み合わせが、過剰流動性となり、金融政策の正常化の過程でコストに転化し得る可能性がある。資産価格上昇に利上げで対応することは必ずしも適切ではなく、一つの商品の価格下落は、他の市場や経済に波及し得る。マクロプルーデンス政策の強化が金融政策正常化の必要条件となろう。
経済の回復のカギを握るのは賃金の伸びとなるが、資金需要を新たに作り出すことができない金融政策だけでの対応は限界があると考えられる。職業訓練や、設備投資を増やし、生産性を向上させて賃金の引き上げ余地をもたらす経済政策が求められよう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国:AIで代替される雇用者はいかほどか
直近で4%、AI活用が広がれば11%の雇用者が特に代替されやすい
2026年08月05日
-
米GDP 前期比年率+1.5%と減速
2026年4-6月期米GDP:内需は堅調も輸入が下押し
2026年07月31日
-
FOMC 5会合連続で金利据え置き
フォワード・ガイダンス依存から脱却し、必要となるのは綿密な経済分析
2026年07月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

