サマリー
◆9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、いわゆるQE3(量的緩和第3弾)に伴う資産買い入れ規模が縮小され、10月の会合で買い入れ停止を決定することが明示された。利上げ開始時期は示唆されず、経済指標次第で2015年中に始まる可能性が高いことが確認されたにとどまる。
◆次回以降のFOMCで声明文の変更が行われる可能性が高く、中間選挙後の政治情勢とさらなる経済指標の情報などを加味した変更が行われることになろう。
◆労働市場では、量的に労働需給が引き締まる方向にあることから、質的にも改善が進む兆候がある。個人消費の腰折れ懸念は回避され、住宅市場も底堅くなってきている。振れは大きいものの、均せばゆっくりとした回復ペースであり、企業活動がより活発化すれば、経済の好循環が進展することが期待されよう。
◆4-6月期の実質GDP成長率が上方修正されたことに伴い、2014暦年の成長率見通しを引き上げた。緩やかな雇用・所得環境の改善が個人消費を底堅く推移させ、成長ペースは設備投資がより増加すれば加速し、住宅投資が腰折れすれば鈍化するだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+2.2万人
2025年8月米雇用統計:雇用環境の悪化が継続し、利下げが近づく
2025年09月08日
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日