米雇用者数の増加幅の鈍化は一時的だろう

2014年8月の米雇用統計:質的には限定的な改善

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2014年09月08日

  • 土屋 貴裕

サマリー

◆8月の非農業部門雇用者数は前月から14.2万人増加し、失業率は前月から0.1%ポイント低下して6.1%となった。雇用者数の増加ペースは事前の市場予想を下回り、失業率は市場予想と一致した。


◆雇用は、業種別では主に企業向けサービスと教育・医療で増えた。全体の増加幅が抑制された要因として、小売業での経営を巡るトラブルが指摘される。


◆長期失業者が減少し、わずかながら賃金が増えるなど、限定的ながら質的にも改善した。一時的要因を含めて考えるとそれほど悲観的な内容ではないとしても、雇用・所得環境の改善ペースは加速しているわけではない。金融政策の先行きを考えるにあたっては、慎重な判断が求められると言えよう。

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