変化しつつある米国の貿易・投資構造

今後は米国の魅力が高まればさらなる変化も

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2014年04月25日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2013年の米国経常収支赤字は2年連続で縮小した。背景には、貿易収支赤字の縮小があり、輸出増加のほか、シェール革命の影響とみられるエネルギー関連の輸入減少が寄与した。


◆サービス収支、第一次所得収支の黒字拡大も経常収支赤字の縮小に寄与した。対外純債務は拡大したが、内外の投資収益率の差によって支払より受取の増加幅が大きくなり、第一次所得収支の黒字拡大につながった。


◆ただし、今後も第一次所得収支が経常収支赤字の縮小に寄与するかは不透明である。シェール革命などによって投資対象として米国の魅力が高まれば、対内直接投資収益率の上昇や米国への投資が促されることが想定されよう。


◆貿易収支や対外・対内資産残高はシェール革命などによって構造的に変化しつつある。2013年は経常収支赤字が縮小したが、今後は米国経済の拡大を背景にエネルギー以外の輸入増加、第一次所得収支の黒字縮小などが生じ、再び経常収支赤字が拡大する可能性がある。

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