サマリー
◆12月17日から18日にかけて開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)でQE3の資産買い入れ規模を、2014年1月から縮小することが決定された。月あたりの購入額が100億ドル減額される。背景は、財政の逆風にもかかわらず、雇用環境や個人消費などの改善が続いたことだと考えられる。
◆声明文の現状認識に大きな変更はなく、若干の上方修正という印象である。FOMC参加者の経済見通しや利上げ時期の想定も前回と大きな違いはなかった。フォワードガイダンスに微修正が加えられており、足下のディスインフレ傾向が続けば利上げ時期は先送りされる可能性もある。
◆2014年は資産購入額の減額が続くと予想される。経済の動向次第ということは変わらないが、減額ペースの想定ができることは不確実性の後退で、米国経済の大きなリスクとはなり難い。労働市場やインフレ動向がFOMC参加者の想定を大きく外れた場合を含め、フォワードガイダンスの修正が的確に行えるかどうかがポイントとなろう。
◆2014年はFOMC参加者の顔ぶれが大幅に変わり、タカ派と見られる地区連銀総裁が輪番制で投票権を得る。しかし、イエレン副議長の後任や数名の理事などの人事が未定である。かじ取り役が決まっていないことは、フォワードガイダンスを用いる金融政策にとって、大きな不透明感要因と言えるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日