サマリー
◆9月17日から18日にかけて開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)で政策変更はなかった。市場では今回でのQE3(量的緩和第3弾)縮小開始決定が織り込まれつつあったため、やや意外感のある決定であったと言えよう。
◆FOMC参加者の経済見通しでは、2013年、14年の実質GDP成長率が下方修正された。また、2015年にかけて成長率は上昇する見通しだが、新たに発表された2016年の見通しは2015年から鈍化する予想であった。利上げ見通しは前回から大きな変更はなく、2015年利上げ開始が大勢を占めた。
◆QE3縮小開始決定を見送った背景として、声明文からは、FOMC参加者が金利上昇と財政問題を懸念しているとみられることが読み取れる。また、バーナンキ議長の記者会見でも、財政問題による不確実性の高まりに懸念を示したことなどが挙げられよう。労働市場の量的改善を認めつつも、質的改善にも注意を払っている様子が窺える。
◆量的緩和と並ぶ非伝統的金融政策であるフォワードガイダンス(政策金利の見通し)は、より明確化することが検討されている模様。利上げ開始時期は2015年との予想が大勢で変わらず、2016年の政策金利予想からは急激な利上げも想定されていない。
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