サマリー
◆財政問題では、10月以降の新たな会計年度の予算、歳出の強制削減への対応、債務上限問題などの議論が行われなければならない。シリア情勢など議会で議論すべき課題は多いにもかかわらず、ねじれ議会の下では、課題は山積したままである。
◆金利上昇と財政問題の不透明感などを背景に、9月は金融政策に変更はなかった。資産買い入れ規模は年内に縮小されるとみられ、焦点は実質ゼロ金利を継続する期間に移りつつある。2014年の政策を決定する次期FRB議長らの人事が話題となろう。
◆量的には雇用環境の改善が緩やかに続いているものの、賃金が伸び悩むなど質的改善を伴っているわけではない。自動車販売が好調さを保ち個人消費は底堅いが、マインド低下など一抹の不安を抱える。金利上昇は懸念材料ながら住宅市場は引き続き堅調である。
◆企業マインドの改善が続き、鉱工業生産も幅広い業種で増加した。投資減税が年末に期限を迎えることや、金利の先高感から年末にかけて設備投資が増加する可能性がある。企業部門の本格回復を唱えるのは時期尚早ながら、雇用拡大につながる期待があろう。
◆4-6月期の実質GDP改定値は上方修正され、財政問題の逆風の割に国内の民間需要は堅調だったことが確認できた。財政問題の一巡後、米国経済は緩やかな回復経路を辿ると想定する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
非農業部門雇用者数は前月差+13.9万人
2025年5月米雇用統計:緩やかな悪化に留まっていることを示唆
2025年06月09日
-
米国経済見通し 米中デタントも、景気は減速へ
財政悪化と学生ローン政策の変更が景気を一層減速させるリスク要因
2025年05月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日