QE3縮小の足音が近づく

ただし直近の雇用改善ペースは鈍化

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2013年04月12日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2013年3月19日、20日に開催されたFOMCの議事録が公表された。現行の金融政策に変更はなく、事実上のゼロ金利政策とQE3による買い入れ規模が維持された。議事録の内容によると、Fedメンバーが想定する資産買い入れ規模の縮小・停止の開始時期は、民間エコノミストの想定より早い可能性がある。


◆しかし、FOMC後に発表された3月の雇用統計は雇用改善ペースの鈍化を示す内容であった。また、国内や欧州の財政問題など不確実性が依然として残っている。そのため、今回の議事録の内容はある程度割り引いて見るべきだろう。


◆Fedメンバーの間で資産買い入れ規模の縮小・停止時期について、それぞれの想定する期間まで議論が進んでいたことは事実である。今後の金融政策を占う上で、Fedメンバーの発言がより注目されることになるだろう。また、雇用統計や個人消費などの経済指標にも注目したい。

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