サマリー
◆Fed は12月11日、12日に今年最後となる定例のFOMCを開催し、政策金利であるFFレートの誘導水準を0.00~0.25%の範囲に据え置いた。一方、これまでは時間軸政策の目標を期間で示していたが、失業率とインフレ率の経済指標で示した。
◆さらに、年末に期限切れを迎えるオペレーション・ツイストの代替策として、同額の長期国債を買い入れることを決定した。目先のインフレ懸念は小さいものの、長期国債を買い入れることでFRBのバランスシートが拡大し、財政ファイナンスという認識がなされることへの警戒は必要だろう。
◆失業率は必ずしも労働市場の改善によってのみ低下するわけではない。バーナンキ議長は労働市場の実質的な改善が見られるかどうかが資産買い入れの期間などに関係するとコメントしている。そのため、失業率の数値とあわせて、失業率変動の要因や非農業雇用者数の増減なども注目されると考えられる。FRBの次の一手を考えるにあたり、労働市場の構造に関する分析や評価、Fedメンバーの発言などが今まで以上に重要となるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
非農業部門雇用者数は前月差+2.2万人
2025年8月米雇用統計:雇用環境の悪化が継続し、利下げが近づく
2025年09月08日
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日