2012年7-9月期の米国成長率は2.0%増

引き続き下振れリスクに注意

RSS

2012年10月29日

  • 笠原 滝平

サマリー

◆2012年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率2.0%増となり、米国の景気は2009年Q3から引き続き拡大していることが示された。2012年4-6月期にかけて鈍化していた伸び率が反転、加速した。しかし、今期の実質GDPは政府支出の急増による影響が大きい。政府支出の増加分を除けば実質GDPの伸びは前期とほぼ変わらず、米国経済の回復が加速したと判断するには早いだろう。

◆個人消費が引き続き実質GDPを牽引した。消費者マインドの改善が下支えした格好。また、足下で改善が続いている住宅市場を反映して住宅投資は堅調であった。一方で、設備投資は企業のマインド悪化などにより減少に転じた。

◆年末・年始にかけていわゆる「財政の崖」や債務上限の問題があり、有効な対策が打たれなければ2013年は景気が失速する可能性がある。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

同じカテゴリの最新レポート