サマリー
◆2021年4-6月期のGDP1次速報の公表を受け、経済見通しを改訂した。実質GDP見通しは2021年度が+3.4%、2022年度が+3.3%である。当社のメインシナリオでは、全国民の約8割が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を10月末に終えると想定している。経済正常化が21年秋から進むことで景気の回復ペースが加速していく見込みだ。
◆日本経済にとっての景気下振れ要因は感染拡大のほか、半導体不足による供給制約により、自動車や一部の家電製品の購入や輸出が伸び悩む状況が長引くことが考えられる。資源高による企業収益や家計所得への悪影響も懸念される。仮に2021年8月以降の交易条件が7月から横ばいで推移すると、2021年度に日本から海外へ流出する所得は22兆円に上ると試算される。所得の減少は設備投資や個人消費の抑制につながる恐れがある。
◆景気の先行き不透明感は強く、ワクチン接種率と変異株の動向に大きく左右される。仮にワクチンの効果が半減する変異株が流行した場合、2022年初めに5回目の緊急事態宣言の発出を余儀なくされ、経済損失は3.7兆円程度と1回目の宣言時を上回るとみられる。先進国を中心に進んできた経済正常化は大幅に後退し、変異株に対応するワクチンの開発・普及が進むまでは経済活動が停滞する恐れがある。
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