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2012年度の日本経済見通し

メインシナリオでは「三本の矢」に支えられて拡大。4つのリスクに要注意

2012年03月19日

調査本部 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

経済見通しを改訂:2011年10-12月期GDP二次速報を受け、2011-13年度の成長率見通しを改訂した。改訂後の実質GDP予想は2011年度が前年度比▲0.2%(前回予想:同▲0.5%)、2012年度が同+1.9%(同:同+1.7%)、2013年度が同+1.4%(同:同+1.4%)である。

日本経済のメインシナリオ:今後の日本経済は、メインシナリオとして、(1)東日本大震災発生に伴う「復興需要」、(2)米国を中心とする海外経済の持ち直し、(3)日銀の事実上の「インフレ目標」導入を受けた円安の進行、という「3本の矢」に支えられて、緩やかな景気拡大が続く見通しである。

4つのリスク要因:日本経済のリスク要因としては、(1)「欧州ソブリン危機」の深刻化、(2)地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰、(3)円高の進行、(4)原発停止に伴う生産の低迷、の4点に留意が必要である。第一に、欧州諸国の国債のヘアカット率に関する3つのシナリオを設定した上で、日本経済に与える影響を算定したところ、最悪のケースでは、わが国の実質GDPは4%以上押し下げられる可能性がある。今後の「欧州ソブリン危機」の展開次第では、日本経済が「リーマン・ショック」並の打撃を受ける可能性が皆無ではない。第二に、イラン情勢緊迫化などを背景に原油価格が高騰した場合、日本企業の交易条件悪化などを通じて、日本経済が「ミニ・スタグフレーション(不況下の物価高)」に陥るリスクがある。第三に、ドル円相場は、当面、比較的狭いレンジ内で推移する公算であるが、2012年末にかけて緩やかな円安・ドル高の進行が予想される。米国で大統領選が実施される年は、ドル円相場のボラティリティが低下する傾向がある。第四に、仮に、わが国で全ての原発が停止した場合、実質GDPに対しては最大1%超の低下圧力がかかる可能性がある。

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