サマリー
◆2025年初頭の「DeepSeekショック」以降、生成AIモデルの開発は加速し、オープン型(技術情報が公開されている)AIモデルの性能向上と軽量化および低コスト化が進展。限られた計算資源でも高い推論能力等を発揮するモデルが複数登場し、従来クローズ型(技術情報が非公開)AIモデルが保持していた技術的優位性は急速に揺らぎつつある。
◆軽量版モデルの性能向上により、ローカル運用や商用利用が現実的となり、企業の導入選択肢が拡大しつつある。これに対抗し、クローズ型AIモデル各社も価格引き下げや軽量版モデルの投入を進め、競争は激化している。米国企業は性能やクラウド連携の面等で優位を維持しているが、今後は価格や柔軟性、透明性も競争力の鍵となり、従来の優位性だけでは安泰とは言えない状況になりつつある。
◆また、高性能な計算資源であるGPUの需要は引き続き拡大している。軽量モデルの普及により、企業が自社環境やデータ処理を端末内で行うことが可能なエッジデバイスでAIを運用するケースも増え、GPUの需要は各所に広がっている。さらに生成AIの進化に伴い、GPUに求められる能力も多様化している。GPUの需要は数量だけでなく用途や性能面でも広がりを見せており、今後も減少する可能性は低いとみられる。
◆今後は、企業による生成AIの導大拡大が見込まれることから、各国では利用ポリシーや法制度の整備が急がれる。さらに今後は、フィジカルAI等の「行動するAI」の普及も注目される。生成AIは社会や産業の基盤を支える技術として新たなフェーズに突入しつつあり、新興企業が既存の技術覇権を揺るがす展開も十分に想定される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/6/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年06月03日
-
国際比較でみる日本企業の行動変化
収益性の改善をもたらした2000年以降のコスト構造
2026年06月03日
-
2026年1-3月期法人企業統計と2次QE予測
設備投資が5年ぶりに減少/2次QEでGDPは下方修正へ
2026年06月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

